紅い蝶が舞う。そこは災厄が溢れ出した黄泉の門「零 紅い蝶/眞紅の蝶」【感想・評価・レビュー】

PS2

双子の姉妹が迷い込んだ皆神村。惨劇を生んだ儀式が始まる。

今回紹介するのは和風ホラーの最高峰、零シリーズの第2作目である「零 赤い蝶/眞紅の蝶」。今度の舞台は地図から消えた村「皆神村」に迷い込んだ姉妹の物語になります。

初代よりグラフィック向上と追加要素によりさらに恐怖感は増しています。

主人公は2人の姉妹なのですが、相変わらずこのシリーズの女の子は可愛い!(怖さよりもキャラの可愛さを紹介するのもおかしいですが、とても魅力的なので後から紹介します。)

マルチエンディングに加え、コスチューム追加などのやり込み要素があり、物語の結末はどれも美しく、衝撃の結末となっていました。

はっきり言って零シリーズは和風ホラーの中で最恐の部類に入る作品。怖いのが苦手な方ならコントローラーを投げ出してしまうかもしれません。

それでも興味がある方はこの先へお進みください。零 紅い蝶/眞紅の蝶の怖さとともに面白さを書いていきますのでお付き合いください。

(画像は主に眞紅の蝶を使っていきます。)




簡単なストーリー紹介!

今作の主人公は天倉澪と天倉繭の双子の姉妹。2人は夏休みのある日。もうすぐダムの底に沈んでしまう故郷をもう一度見ておこうと故郷に近い渓谷にやってきた。そこは幼い頃よく遊んだ場所で、姉の繭が山道で滑落し、右足に障害を残す怪我をした場所。妹の澪が思い出に浸っていると側にいたはずの繭がいない。あたりを見渡すと何かに導かれるように林に入っていく繭。澪は慌てて追いかけたが異様な雰囲気の中、日は暮れはじめ夜が訪れる。林の奥から人々の声と篝火、鳥居が見えた。その先で繭に追いつくと、紅い蝶のようなものが一斉に舞い上がった。2人は地図から消えた村、「皆神村」に閉じ込められてしまう。

今作の楽しみ所!

暗さと音、不自由さが生み出すホラー要素

日本の恐怖をテーマにした零シリーズはバイオハザードのように驚異が現れる恐怖とは違い、背筋が凍りつくような恐怖が詰め込まれています。

どこからでも現れる幽霊はドアを開けた先や水辺、プレイヤーの背後など様々な所からいきなり出現するので、不意に現れた瞬間は背筋の寒気と鳥肌が・・・。霊感の強い繭が取り憑かれ、異常な行動をしだすところにも精神的な恐怖が込められています。

Wii版の眞紅の蝶では落ちているアイテムを取る瞬間襲って来る「ゴーストハンド」が追加されていてなおさら怖い。恐る恐るアイテムに手を伸ばしているといきなり掴んでくる腕の幽霊は初めて遭遇した瞬間驚くこと間違いなし。

作中で流れるBGMも基本無音か風の音、不安を煽るような音が流れているだけなので、ドアが軋む音や足音、現象の音がダイレクトに耳に入ってきて恐怖感倍増!

散策をするマップは暗く、古く、荒れ果てた感じの建物が嫌というほど霊を意識させてくるので先に進むことですら恐怖感を煽ってきます。

怖いのが苦手な方は先に進むのすら躊躇してしまうほどプレイヤーの心臓にストレスを与えてきます。

闇が支配する荒れ果てた村で行われた儀式の詳細をプレイしながら解き明かして言っていただきたい。

前作より向上し、恐怖の増した戦闘

突如現れる怨霊には射影機というカメラを使って倒していくのが零シリーズの特徴です。

神出鬼没な怨霊をカメラ越しに直視しなければいけないので、迫り来る恐怖感はプレイヤーにダイレクトに伝わってきます。

画像の通り視点が限定されるので怨霊が消えたあと、どこから現れるかわからない状況がかなりの緊迫感を与えてくれます。

襲って来る怨霊も子供や無残な死を遂げた人間など様々で、死んで怨霊となってしまった経緯にも細かいストーリーがあるのでそちらにも興味を持って頂けるとさらに楽しめると思います。

私が印象深かったのが2体同時に襲って来る真澄と美也子。とても強力で苦戦した怨霊だったのですが、怨霊となってしまった経緯はとても悲しいものです。真澄はダム建設に伴って調べに来て皆神村に迷い込んでしまった諜報員。探しに来た恋人の美也子とともに脱出を試みるが、途中、真澄は縄の男に惨殺され、怨霊と化した真澄に首を占められて美也子は殺され、怨霊となってしまった。など、悲しい事件があります。

戦闘で使う「射影機」「強化レンズ」は強化出来るようになっていて、射影機は霊波系の直径が広がる「範囲」、強化レンズが多く使えるようになる「蓄積」、ダメージと射程距離が上昇する「感度」の3つが強化できるようになっていて強化レンズは「紅レンズ」「蒼レンズ」「緑レンズ」の三種類レンズがあり、各色のレンズにも種類があって様々な効果が付け加えられます。

フェイタルフレームによって連写によるコンボを決められるようになったので、うまく使いこなせれば強敵でも瞬時に大ダメージを与えることも可能です。




進めるごとに明らかになる恐ろしく、悲しいストーリー

今回の主人公は双子の姉妹。迷い込んだ皆神村には数十年に一度、双子を使った儀式が行われています。それは皆神村の地下にあるあの世と繋がる穴を塞ぐこと。

皆神村が地図から消え去った惨劇が起きた数十年前の儀式では、村の長である黒沢家の娘である八重と紗重の双子姉妹が選ばれた。

様々な要因が重なり、儀式は失敗して村は滅んだのですが、その怨念が澪と繭を使って儀式をやり直そうとしていました。

ストーリーを進めていくうちに「紅贄祭」という儀式の内容や過去の事件が明らかになり、衝撃のラストを迎えます。

どれも非常に悲しく、怖いストーリーで複数の結末が用意されています。全てのエンディングが見ごたえのある結末なのでプレイする方は頑張って全てを見ていただきたい。

(ネタバレを極力防ぐため、簡略的に書いています。)

PS2・紅い蝶とWii・眞紅の蝶の違い

PS2版「紅い蝶」は2003年11月27日に発売されたのに対し、リメイクされたWii版「眞紅の蝶」は2012年6月28日に発売されているので様々な要素が追加・向上されています。

まずひと目でわかるのは、グラフィックの向上と固定視点からTPS視点に変更されていること。

プレイ画面で確認すると、PS2の紅い蝶では全体を見渡す左側に対して、Wiiの眞紅の蝶ではキャラクターの後方から見るTPS視点になっています。

他にも主人公の年齢設定が15歳から17歳に上がったりイベントムービーやエンディングの追加、覗くやめくるなどの動作も出来るようになり浮遊霊や地縛霊も追加されていました。

眞紅の蝶ではアイテム入手前に手を伸ばす動作が追加されて、時々現れるゴーストハンドが邪魔をしてくるのでビックリする怖さも追加されています。。

あとはクイックターンが出来るようになったり射影機の「ロックオンシステム」の追加されて操作しやすくなったり、周回特典や「お化け屋敷モード」が追加がされているのでやり込みが楽しくなります。

紅い蝶の主人公が幼く、古びた感じも好きですが、見やすく遊びやすいゲームを好む方は眞紅の蝶を選んでプレイしていただけたらと思います。(同じ作品でありながら、全く違う雰囲気が楽しめるため、本当は両方プレイしていただきたいというのが本音・・・。)

まとめ

前作よりも遊びやすくなってはいるのですが、恐怖感は増しているので初見ではなかなかスムーズに進められなかった一作品です。

ちなみに私は「紅い蝶」を全エンディングまで見たあとに「眞紅の蝶」の新エンディングを見るためプレイしています。

古い屋敷や和室、人形、着物など和風の怖さがよく出ている上に、紅の色がとても美しく感じられる作品でした。音や演出でゾクゾクさせてくれるので怖い体験をしたいのなら満足できること間違いないでしょう。

ホラーゲームなので恐怖感に注目したいところですが、ストーリーが本当によくできた作品なのでプレイする方は注目していただきたいです。エンディングまでプレイした方はこの物語の悲しい結末に全てのエンディングを回収したくなるはずです。(眞紅の蝶で追加されたエンディングも本当に悲しい結末なので見ていただきたい。)

本当にこの作品に没入して楽しむなら部屋の電気を全て消して、ヘッドフォンをつけてプレイして下さい。途中ヘッドフォンを外して部屋のを見わたすことになるでしょうが・・・。

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