人身売買組織に誘拐された少女「FRAGILE(フラジール)」【感想・評価・レビュー】

PC

現実で起こっている社会問題!性目的でさらわれる女性や子供

ど~も!ぷちなま(@Gamer’s Life)です。

今回プレイしてきた作品は、幼い少女が恐ろしい人身売買組織に誘拐されるゲーム「FRAGILE(フラジール)」。

steamで Beer Night Studiosから販売されている、ホラーアドベンチャー作品になります。

実在するモンゴルのウランバートルのゲル地区が舞台となり、現実でも問題になっている人身売買について描かれている恐ろしい物語。

悪夢のようなその内容は、人間の恐ろしさがしっかり伝わってくるんです。

化け物のような存在も登場するので、虫やグロ要素が苦手な方はプレイしない方がいいかも・・・。

それでは、現実世界の深い問題を題材にした問題作「FRAGILE(フラジール)」の面白さと怖さを、感想と共にレビューしていきますのでお付き合いください。




かんたんなストーリー紹介!

モンゴルのウランバートルのゲル地区。そこは空気汚染がひどく、子供の失踪事件が相次ぐ場所だった。

少女が学校から帰っていると、人気のない通りに入ったところで謎の男に襲われた。

目が覚めるとそこは暗く、不気味な部屋。

光が入り込むドアから外を覗いてみると、そこには複数のモニターを監視している男の後ろ姿があった。

ここから脱出しなければ・・・。

「FRAGILE(フラジール)」の楽しみ所!

誘拐された少女が入り込む悪夢

誘拐された少女が閉じ込められた場所は、暗くて不気味な部屋。

脱出するためにさらに奥へと進みますが、そこでは現実離れした恐ろしい世界が待っていました。

骸骨の山はもちろん、脳がはみ出た男との遭遇、人間を切り刻む存在と少女が目を背けるほどの死体の山など、猟奇的で恐ろしすぎる世界観です。

初めに行方不明になった少年とこの場所で再開しますが、目の前で・・・。

そしてさらに奥に進むと、見るからに恐ろしい化け物たちが登場してきます。

少年の腹部を開いていた手術着の男たちは恐ろしい姿に変化し、さらに右腕が鎌のような醜い姿の怪物が襲い掛かってきました。

複数の舌を伸ばしてくる化け物もかなりの恐怖・・・。

さらに少女は恐怖からか、目が闇に包まれて幻覚のようなものを見始めてしまいます。

回想のように自分の人生を振り返り、人の顔をした巨大な虫が目の前から迫ってくる。

手に持った銃をどう使うかで、少女の運命は大きく変わっていくので正しい選択を!

終始不気味なグラフィックとBGM

学校帰りにさらわれた少女が逃げ出すために、さらに奥へと進んで行きます。

犯罪組織の人間たちがいる檻のある部屋や、鉱山だった場所。

さらには死体処理場や廃棄場も通って出口を探さなければなりません。

流れるBGMは静かで不穏なものばかり。様々な音だけがしっかりと聞こえてきます。

主人公はか弱い10歳の少女、見つかる=死の緊張感はかなりのもの。

そんな不気味な背景には、壁のシミや置かれている小物など細かいところまでしっかりと描かれています。

特に後半の炎に包まれる演出は、かなりリアルで美しい!!!

そして時にはかなりグロい描写もあるのですが、2Dなので目を覆いたくなる場面でもやわらかく、猟奇さと恐ろしさだけがしっかり伝わってきました。

プレイ中は謎解きや追われることに忙しいとは思いますが、グラフィックの素晴らしさにも注目していただきたい。



意外と難しい謎解きとアクションパート

出口を探して進んで行く中で、謎解きをしなければならない仕掛けが至る所にあります。

配電盤のヒントを元に電圧を調節したり、扉を開けるために数字を揃えたりとなかなか難しい!

途中でモンゴルの伝統的なシャガイ(動物のくるぶしの骨)を使った遊びも登場してきます。

ある意味「FRAGILE(フラジール)」の最大の難関と言ってもいいでしょう。

そして敵から見つかって逃げる時には反射神経が必要なQET(クイック・タイム・イベント)が使われていました。

緊張感がある中で、瞬間的に支持された方向やボタンを押さなければならないんです。

終盤には積み上げられた箱に上っていくのですが、下からは無数の舌を伸ばしてくる恐ろしい化け物が・・・。

箱を移動させて足場を作りながら登っていくのはかなり難しい!

かなりの緊迫感があるので、この恐怖を楽しみましょう。

ゲーム内とエンディングに込められたメッセージ

「FRAGILE(フラジール)」モンゴルを舞台にしたアドベンチャーゲームなんですが、現実で問題になっている内容が詰め込まれており、多くの方にその現状を知ってもらうための問題提起の作品でした。

プレイ序盤に「ラントーンドヒオ」という聞きなれない会社の張り紙があるのですが、ここは実在していて「反人身売買全国運動」などをしているNGO(政府間協定によらずに設立された国際協力組織。非政府組織)なんです。

さらにクリアすると人身売買の79%が性的行為の目的で売買が行われおり、そのほとんどを女性が占めている事、そして被害者の20%がまだ子供であることなどが語られていきます。

平和な日本では想像できない恐ろしい現状が、まだまだ世界中で起こっているという事です・・・。

「FRAGILE(フラジール)」はホラーゲーム作品でありながら、現実で起こっている恐ろしい現状を理解させられる深い作品でした。

この恐ろしさを知りたい方は、実際にプレイして少女の行く末を見てください。




「FRAGILE(フラジール)」のここが残念・・・。

現実の社会問題を題材に、ホラーゲームとしてもかなり完成度の高い作品「FRAGILE(フラジール)」ですが、残念にというか難解な部分もありました。

それはモンゴルの伝統的なシャガイを使った骨の数当てゲーム!

ルールがまったくわからない!!!何度か繰り返したのですが、何が正解やら・・・。

伝統的な遊びを入れる発想は良いのですが、海外ゲームのせいか説明も分かりにくい。

序盤に出てくるのですが、おそらく一番の難所になるでしょう。

まとめ・感想

多くの子供が被害者となっている人身売買問題を、一人の少女が誘拐されるゲームとして理解させられる「FRAGILE(フラジール)」は、多くの方に知っていただきたい神ゲーでした。

生き延びるために様々な困難を乗り越えていく少女ですが、あまりの出来事に最後は心を壊してしまいます。

もし無事に助かったとしても、被害者の心には深く傷が残る事でしょう。

この作品はフィクションですが、世界のどこかでいまでも行われてる恐ろしい事件だという事をお忘れなく・・・。

GOODENDでは父親が優しく抱きしめ、少女の壊れかけた心を現実に戻すという素晴らしい物語でした。

人身売買組織の犯罪に巻き込まれた少女の物語に、興味を持った方はぜひともプレイしてみましょう。




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