「港詭實録 ParanormalHK」九龍城で心霊番組、その恐怖は現実のものに。【感想・評価・レビュー】

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呪われた美人キャスター。それは序章に過ぎなかった。

今回プレイしてきたホラーゲームは、中国・香港の都市伝説を基にした一人称視点のホラー作品「 ParanormalHK  港詭實録(パラノーマルホンコン)」。先に伝えておきますが、非常に怖いです・・・。

香港のインディーデベロッパーGhostpie Studioが開発してsteamで配信されていますが、日本語字幕対応してるので安心して遊べます。

舞台となるのは、1990年代前半まで香港に存在していた九龍城。迷路のように入り組んだ狭い路地は非常に暗く、不気味な雰囲気を醸し出していました。

グラフィックが綺麗なのでめっちゃ怖い。BGMも静かなのでなおさら怖い。足音響くなぁ~。ドアを開ける音デカイなぁ~・・・。「ぎゃぁぁあぁぁ!!!」。

あなたもこうなりますので、プレイしようと思っているならご注意ください。

それではsteamのホラーゲーム「 ParanormalHK 港詭實録(パラノーマルホンコン)」の面白さを、感想と共にレビューしていきますのでお付き合いください。




かんたんなストーリー紹介!

盂蘭節(日本でいうお盆のようなもの)の夜、香港の人気番組「霊界脱出ゲーム」のクルーが撮影のために九龍城にやってきた。

美人キャスターのキャシーがカメラを前に、今回の企画を説明していく。

それは九龍城に訪れたキキ・ペギー・キャシーが3つのグループに分かれ、このオバケ通りを脱出する速さを競うというもの。その撮影中カメラに異常が起き、映像が乱れてしまった。

カメラが壊れた事で、先に探索をしようと言い出したキャシーは1人、九龍城の奥へと進んで行きました。

キャシーをを追いかけたアーロクは、通路の先にあるドアを開くと後ろからキャシーがあらわれました。「次のステージの鍵を見つけたわ。行きましょう。」そう言ってほほ笑んだ瞬間、キャシーは叫び声と共に一瞬で何者かに通路の奥へ引きずり込まれていってしまった。

消えたキャシーを探すため、九龍城のさらに深いところまで進んで行くアーロク。2人は無事に脱出できるのだろうか・・・。

今作の楽しみ所!

静かな九龍城に響く音と叫び声

今回の舞台である「九龍城」は、九龍城砦とも言われていた巨大なスラム街。無秩序に建てられた高層ビルが密集しており、暗く、荒れ果てた雰囲気が異常な不気味さを出しています。

人の気配はなく、かすかに風のような音だけが聞こえていました。

そんな空間では自身の足音やドアを開ける音が、異常なほど響いてきます。静かな分耳をすましてプレイしているので、探索するのが非常に怖い。

さらに敵と遭遇した時の効果音やBGMなども非常に怖く、一瞬にしてプレイヤーをパニック状態にさせるので絶叫注意!

九龍城の他にも呪いを生み出した粤劇の舞台や、自殺の多発する旧式公営住宅など恐ろしい場所がありますのでお気を付けて。

1人だけではない・・・襲い来る恐怖の存在

番組を収録にやってきた主人公のアーロクに襲い掛かってくるのは、呪いによって変わり果ててしまったキャシー。

初めにかわいい笑顔と声、大きな胸でプレイヤーの目を惹いたキャシーが、呪いのせいで恐ろしい姿に変わってしまいました。

瞳は闇に染まり、白い歯は鋭利な牙へと変化し、口や鼻は血のようなもので染まっています。もちろん対抗手段はなく、逃げて隠れることしか生き延びる方法はありません。

しかし ParanormalHK(港詭實録)に出てくる脅威はキャシーだけではない。九龍城から脱出した後も、物語は続いていきます。

突然消息を絶ったキャシー探すため、呪いの正体に追っていきます。そこには更なる恐怖がプレイヤーを待っていました。

まるで蜘蛛のような動きをする人形の身体を与えられたリン、さらに強力な力を使うようになったキャシーなど、遭遇しただけで恐ろしさが伝わってきます。

追いかけてくる姿や現れ方が非常に怖いので、先に進むときは注意していただきたい。




いたる所に仕掛けられた謎解き

ホラーゲームのお約束ともいえる謎解き要素。今作は難しすぎず、散りばめられたヒントを元に挑めば難なく解ける難易度だったと思います。

一つ一つの仕掛けが香港の風習や世界観を感じさせるもので、より九龍城の不気味な雰囲気をしっかり伝えてくれるので素晴らしい。

謎解きには風水に使う八卦羅針盤や碟仙という占い(日本でいうこっくりさんのようなもの)が使われており、オブジェクトに獅子舞の時に使う大頭佛や粤劇の陶人形も配置されているので香港の世界観がしっかりと伝わってきます。

時には近くに敵が迫ってきている状況でギミックを解除しなければならない場面もあります。

ドアを破壊しようと激しく衝撃を与え続けるキャシー。そんな中で発電機を回したり、天井から襲ってくる敵に対応しながら羅針盤のギミックを解いたりと、限られた時間で解かなければならない緊張感が恐怖へと変わっていきます。

あなたはこの恐怖の中、慌てることなく冷静に謎解きを出来るでしょうか・・・。

先に進むごとに明らかになっていくストーリー

香港の心霊番組を撮るために九龍城に訪れた取材班。呪いによって変わり果ててしまったキャシーを助け出すため、アーロクは九龍城の奥へと足を踏み入れます。

九龍城で無免許の歯医者をしていた男の悲惨な事件、粤劇の世界で有名な女優が謎の自殺をしてしまった事件など、恐ろしい事件が多く登場してきました。

中盤でメリーゴーランドがある旧式公営住宅が出てくるのですが、そこで起きた連続飛び降り事件は実際に起きた事件が元になっているというから驚きです。

こういった都市伝説と実在した事件をテーマにしている所がこの作品の怖い所・・・。

呪いの原因、アーロクを助けるように電話をかけてきた謎の人物、謎だらけだった物語が少しずつが明らかになっていきます。

そして衝撃過ぎるラストは更なる謎を呼び、次回作に期待させる終わり方は個人的には大好きでした。しっかりしたストーリーのある作品なのでぜひプレイしていただきたい。

まとめ

香港の世界観と怖さをしっかりと体感させてくれたホラーゲーム「 ParanormalHK港詭實録(パラノーマルホンコン)」。個人的にはかなり満足度の高い作品です。

グラフィックも非常に綺麗で世界観もしっかりしているので、香港ホラーならではの恐怖感が楽しめます。

プレイ時間は約3~5時間ほどでクリアできるので、少し短い気もしますが非常に楽しめました。

欠点を上げるとすれば、たまにバグが起こることや、字幕の日本語が少し変なところくらいでしょうか。大きなストレスになるような欠点はなかったので、恐怖を感じたい方にはぜひプレイしていただきたいと思います。

出来れば友人や恋人と暗い部屋でプレイして恐怖を共有していただきたい・・・。






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