絶望!それは主人公ではなくプレイヤーに襲い掛かる!
今回レビューするのは名作レトロゲーム「魔界村」。多くのプレイヤーを絶望に陥れた高難易度の横スクロールアクションゲームになります。
主人公のアーサーを操作し、槍・短剣・たいまつ・斧・十字架の5つの武器を使って大魔王を倒すというシンプルな作品なんですが、各ステージにはいやらしい敵が多く待ち受けています。
そのため心が折れてしまい、エンディングを見ることが出来なかった人も多いでしょう。(魔界村にはプレイヤーを絶望の淵に落とす瞬間があります。)
ファミコンの作品という事で、操作性やグラフィックは今のゲームに慣れた方にはストレスになるかもしれませんが、ぜひ挑戦していただきたい一作品です。
それでは「魔界村」の面白さを、感想と共にレビューしていきますのでお付き合いください。
※画像はファミコン版
魔界村はどんなゲーム?
主人公のアーサーは王国の騎士。そして王国の姫君であるプリンセスはアーサーと恋人関係だった。(アーサー28歳、姫16歳という羨ましいロリコン逆玉の輿状態)
鎧を脱ぎ、パンツ一枚のアーサーは、なぜか墓場でプリンセスと二人きりの時間を過ごしていた。
そして突如現れた、大魔王の使いサタンにプリンセスをさらわれてしまう。アーサーは若くて可愛くて金持ちな姫様を助けるため、魔界に足を踏み入れ、魔物たちと6つの門を守る魔将軍、そして大魔王を倒しに行く。
というツッコミたくなる要素が多い迷作でもあります。
基本は鎧を着ているアーサーですが、一度攻撃をくらうとパンツ一丁の姿になり、その状態で再び攻撃をくらうと白骨死体になる演出も極端すぎてGOOD!
敵がドロップする5種類の武器を選んで使いながら、ゾンビやレッドアリーマーなどのいやらしい動きをする敵を倒し、サタンや大魔王を倒して姫を取り返すゲームです。
※画像はファミコン版
今作の楽しみ所紹介!
伝わってくる不気味な雰囲気
スタート地点が墓場、そして突如現れる赤い悪魔、序盤から次々と起こる現象でプレイを始めたとたん不気味な雰囲気が漂ってきています。
そして大魔王の使い「サタン」が現れた瞬間、一気にBGMが変わり、緊張感と不安感が漂ってきました。
ドットながらも地面からゾンビが這い出し、ありえない動きを見せるレッドアリーマーが襲い掛かってくるステージはまさに魔界。
先に進むごとに敵の数や種類が増えてくるので、その恐怖は現実のものとしてプレイヤーに襲い掛かってきました。
恐怖と言ってもホラーゲームのびっくり要素やゾクッとする感覚はないのでご安心を。
レトロでありながら、完成度の高い世界観を体感してください。
※画像はファミコン版
雰囲気に合った音楽が頭からはなれない
魔界村を語る上で語らずにいられないのが、様々な場面で使われるBGMや効果音です。
もちろん音楽も8bitサウンドなのでレトロ感はありますが、現代のゲームの作りこまれた音楽を聴きなれていたらこのシンプルさが新しく感じるかもしれません。
このシンプルながら作りこまれた音楽が頭に残り、一度でも遊んだことのあるプレイヤーならイントロクイズで答えられるほど。
魔界村の不気味な雰囲気をしっかりと伝えつつ、テンポの良いBGMは中毒者を多く生み出す要因となっています。
これから魔界村に挑戦してみようと思っている方は、ゲームを楽しむついでに音楽にも耳を傾けてはいかがでしょうか?
(※リンクから試聴できます。)
高難易度ながら挑戦したくなる面白さ
魔界村はシンプルな操作性ながら、プレイヤーを地獄に叩き落すいやらしい敵の配置やギミックが多く登場します。
動きの読めないブルーキラーやレッドアリーマー、耐久力の強い大男など、どれも一筋縄では対応できません。
さらにステージごとに用意されたギミックは、敵の対応をしながら進んで行かなければならないので、常に緊張感が付きまといます。
上から横から攻めてくる敵の対応は難しく、簡単にプレイヤーの心を折ってきますが、繰り返しプレイする事で自然に対応出来てきます。
プレイしているときは絶望するのに、プレイしていないときにはなんとなく行けそうな気になる。そんな中毒性のある作品なんです。
「魔界村のエンディングを見た」、当時はそれだけで後期のまなざしで見られるほど難易度が高い作品なので、怖いもの知らずはお試しを!(エンディングを見る事が難しい理由はこの後紹介します。)
※画像はPS2カプコレ版
この作品のここが残念・・・。
レトロであるが故の操作性
魔界村は1985年にアーケードゲームとして登場し、1986年にファミコンに移植された作品。そんなレトロ作品であるがゆえに、細かい操作が非常に難しい作品になっています。
中でもジャンプの操作性の悪さは多くのプレイヤーを苦しめてきました。
カクカクとした動きに加え、ジャンプ中は距離を調節出来ない。そして高い所から一気に飛び移ろうとしたとき、一定距離前に進んだ後はほぼ真下に落ちていくなどの要因があります。
現代のゲームの様になめらかで、細かい動きが出来る作品に比べると、その粗がどうしても目立ってしまいます。(レトロゲーマーには味になるのですが・・・。)
これからプレイされる方は、魔界村の操作のクセをしっかりつかんでいただき、この高難易度ゲーを攻略して下さい。
※画像はPS 2カプコレ版
レッドアリーマーの超反応
魔界村を語る上で避けて通れないのが「レッドアリーマー」の存在。ステージ1から登場し、その動きに心を折られたプレイヤーは数知れず・・・。
序盤からこの作品の難しさをプレイヤーに叩き込んでくる存在です。
動きを読んで攻撃したとしても、当たる寸前で高速回避をしてくる理不尽な動きをしてきます。
横にしか攻撃できないアーサーに対して空中から弾を発射し、時には高速で体当たりをしてくる凶悪さ!
各ステージに待ち受けるボスより強い「魔界村の敵で最恐」と言われるほどの存在です。
そんなレッドアリーマーがステージ1の序盤から登場し、後半では大量に鎮座しているのでお気をつけて・・・。
※画像はクラシックミニ版
プレイヤーを絶望させる2周目の存在
初めから高難易度の魔界村。その苦難を乗り越え、やっと大魔王に辿り着いたと思った瞬間、エンディングではなく英語の文章が画面に映し出されます。
日本語にすると「この部屋は幻想であり、サタンによって仕掛けられた罠です。勇敢に進め。更なる進歩を遂げて」といった内容なのですが、その後なぜか一面のスタート地点に戻されます。
察しの良い方ならお気づきでしょう。魔界村のエンディングを見るためには、同じステージを2周する必要があるんです。
しかも1周目より難易度は上がり、「十字架」を持っていなければボス部屋まで辿り着けないようになっています。
この「やっとボスに辿り着いた!」感から、最初のステージに戻されてしまう理不尽さ、さらに難しくなったステージを再び進めていかなければならない絶望感で、多くのプレイヤーがエンディングまで辿り着けずにいました。
挑戦する方は、絶望しないよう2周目の存在を知ったうえで挑戦していただきたい。
※画像はクラシックミニ版
まとめ
レトロな作品ながら、シンプルで難易度の高い「魔界村」は、ゲー好きの方に一度は挑戦していただきたい作品です。
敵のいやらしい配置と動き、そしてあまりの難しさにコントローラーをぶん投げたくなると思いますが、壊さないように気を付けて遊んでください。
私の周りでもクリアした人間は2人ほどしかいません。
現在ではファミコン以外のハードにも移植され、ダウンロード版として遊ぶことも出来るようになりました。
Switchやスマホのアプリでも遊べるし、本体を持っていない方は「ニンテンドークラシックミニ」に収録されているので、そちらで遊んでいただきたい。
個人的にはファミコンのカクカクなレトロ感が好きですが、こだわりがなければお手持ちのハードで探してみてください。
※画像はファミコン版
現代のテレビでレトロゲームを遊ぶのに適している「レトロフリーク」も非常にオススメです。(FC・SFC・PCエンジン・メガドライブ・ゲームボーイなどもHDMIケーブルで繋げて遊べます)
たまには昔の神ゲーをして、レトゲーライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?