残酷な世界で見えてくる生と死の答え「死と月は寄りそって眠る」【感想・評価・レビュー】

PC

生きる理由と死ぬ意味、それは大切な人から与えられる……。

ど~も!ぷちなま(@Gamer’s Life)です。

今回プレイしてきた作品は、奴隷の少女と生贄を求める剣士の物語「死と月は寄りそって眠る」。

制作者のgawa氏が配信されている、フリーノベルゲームになります。

人間を生贄として差し出すことで森を栄えさせる「アニマの樹」と、それを守る一人の剣士が人間の生と死について答えを探していく深い物語。

そんな残酷な世界で人間の優しさと恐ろしさがしっかりと伝わってくる魅力的な作品です。

あなたは奴隷少女と一緒に生活するとしたら、相手に何を求めますか?

奴隷として買ってきた少女が、かけがえのない存在へと変わっていく心温まるストーリーを楽しみたい方はぜひともプレイしていただきたい。

それでは人間の愚かさ、そして生と死について考えさせられる物語「死と月は寄りそって眠る」の面白さを、感想と共にレビューしていきますのでお付き合いください・




かんたんなストーリー紹介!

周囲の村や町を侵略し、大国となった傲慢の国【スペルビア】は、領土をさらに拡大しようと周辺諸国への侵略を続けていた。

豊かな自然に恵まれた小さな村【テネブレ】は、その資源と『秘密』を狙う【スペルビア】から侵略を受けるが全て撃退している。

【テネブレ】には【アニマの樹】と呼ばれる大樹があり、森を豊かにするために人間を生贄を捧げていた。

その『秘密』と場所を知っているのは、生贄を捧げる役割を持った一族の剣士モルスただ一人……。

そんなモルスはある答えを捜し求めていた。そして同じ考え方をする一人の奴隷少女と出会う……。

「死と月は寄りそって眠る」の楽しみ所

モルスの運命を変えた一人の奴隷少女

「死と月は寄りそって眠る」の主人公は、テレブネで生まれ育った「モルス」という一人の剣士。

アニマの樹と言う恐ろしい大樹に生贄を捧げる一族に生まれ、他者の命を奪って生き続ける自分に疑問を抱くようになっていきました。

奴隷を買い、生きることについて問いかけ、生贄に捧げていく中で自分と同じ疑問を抱いた一人の奴隷少女と出会った事から物語が変化していくんです。

剣士と奴隷少女の会話や生活から、誰もが一度は考えた事がある「生と死」についてそれぞれが答えを導き出していくストーリーが非常に興味深い!

他人から大切な人へと変わり、考え方すら変えてしまう二人の心の変化をぜひとも覗いてみていただきたい。

人間の欲が色濃く表れた世界

この世界では国同士が争い、階級の違う人間を奴隷と扱い、他人から奪い合う人間の恐ろしい部分が色濃く描かれています。

自分は特別な人間だと思い、他者を自分の欲を満たすための道具としか思ってないスペルビアという国の人間は、多くの人が心の中に眠らせている闇の部分が表現されていました。

同じ人間でありながら奴隷として使われ続ける人間……。それが当たり前の残酷な世界……。ゲームの世界でありながら、現実世界で学んだ人間の過ちの歴史とどこか重なる部分も感じられてるんです。

もちろん主人公のモルスにも、同じ人間を生贄として差し出すことに何の抵抗も感じない残酷な部分がありました。

まずはこの人間の闇が色濃く表現された世界観を楽しみ、モルスと奴隷少女の心の変化を楽しんでいきましょう。

「生きること」とは何かを考えさせられるストーリー

人間が「生きること」の答えを探していくストーリーなんですが、物語が後半に進んでいくと「死」の意味を見つけていくんです。

奴隷の少女は人間としての「生」を感じるために名前を求め、「ルナ」と名前を与えた事で最高の幸せを感じて死を受け入れました。

モルスも何の感情も抱かずに奴隷を生贄としていたのですが、同じ疑問抱いていたルナだけは特別な存在になっていくんです。

そしてルナに人間として生きていくための全てを教え、会話を繰り返すことで二人の思考や感情が変化して大切な人へと変化していく物語が非常に奥深い。

「生と死」の答えは一人で生きていく中で決して見つけられない答えであり、大切な誰かがいないと辿り着けない答えなんです……。

モルスとルナがどんな答えを導き出し、どんな感動の結末を迎えたかは、自身でプレイして確認してください……。




「死と月は寄りそって眠る」のここが・・・。

人間の残酷な部分が色濃く表れた世界で感動の物語を楽しませてくれる「死と月は寄りそって眠る」ですが、色々感じる部分が多い作品でした……。

非常にプレイ後に満足度の高い作品だったのですが、作中に登場する解説に素晴らしいと感じた所と残念に感じた部分があったんです。

国やアニマの樹の詳しい説明や、村人の声や周りがどんな目で見てるのか?を教えてくれる解説は非常にわかりやすくて面白い部分だったのですが、クリア後に心残りだったのはモリスとルナの過去の話……。

プレイ中に不満を感じる部分ではなかったのですが、余韻に浸っている時に2人の過去は回想としてでもストーリーで楽しみたかったなぁ……。という思いが残りました。

とても印象的な内容だっただけに、解説だけで終わるのは非常にもったいない……。

モルスとルナが魅力的だったからこそ生まれたわがままですが、解説でも十分なほど丁寧に書かれているのでしっかり読んで物語を楽んでください!

まとめ・感想

残酷すぎる世界で人間の優しさと大切さが伝わってくる「死と月は寄りそって眠る」は、一つの時代の物語を垣間見たような満足感がある名作でした。

奴隷と主人と言う関係性からかけがえのない存在へと変わり、2人の生と死についての答えがしっかり伝わってくるストーリーが非常に面白かったです!

ゲームのキャラなのに人間味がしっかりと伝わってくる所から、制作者様のこだわりが伝わってくるように感じます。

この作品をプレイしている時、昔好きな冒険小説を読んでいた時に感じたワクワク感と同じような気持ちにさせられました。

エンドロールでその後の世界の変化が見れる所も素晴らしく、人間の優しさと愚かさがしっかりと伝わってくるので、衝撃の結末は実際にプレイして楽しんでいただきたいと思います。

最後に「死と月は寄りそって眠る」のDLリンクと、制作者のgawa氏のTwitter・YouTube・HPのリンクを貼っておきますので、気になる方は覗いてみてください。(「死と月は寄りそって眠る」DLページ/Twitter/YouTube/HP




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