人形の首を集める少年、頭部が切断された女子生徒、そして劇の演目「点鬼簿行路」【感想・評価・レビュー】

PC

廃部となる演劇部で起きた恐ろしい事件!彼女が寂しくないように…。

ど~も!ぷちなま(@Gamer’s Life)です。

今回プレイしてきた作品は、人形の首を集める演劇部の少年の物語「点鬼簿行路」。

制作者の丹綿樫氏が配信されている、フリーホラーアドベンチャーゲームになります。

暗く不気味な雰囲気を感じさせられながらも美しいグラフィックと、引きこまれるストーリーが楽しめる素晴らしい作品でした。

無数に置かれた人形の首、頭部が切断された女子生徒の事件、後味の悪さが残る演劇部の脚本・・・。

全てが絡み合うストーリーは、引きこまれずにはいられないでしょう!

(※R-15作品としてホラー表現、バイオレンスな表現が含まれるので、苦手な方はブラウザバックを推奨します。)

それでは恐ろしさの中に切なさを感じさせられる青春物語「点鬼簿行路」の面白さを、感想と共にレビューしていきますのでお付き合い下さい。




かんたんなストーリー紹介

主人公の淵上咲人は廃部となる演劇部の最後の部員・・・。

廃部となってしまう演劇部の部室から、我々は引っ越さなければならない。

大きめの袋に人形の首をひたすら詰めるが、一度には入りきらなかった・・・。

学校の裏手にある空き家へ辿り着いた淵上が思案に耽っていると、そこに一人の少女が姿を現した。

演劇部の先輩である鏑木小夏、彼女は派手な赤色の服を着た人形を突き出してきた。

「あんた、人形が好きなの? それとも首?」

そして淵上は小夏先輩が差し出した人形の首を・・・。

「点鬼簿行路」の楽しみ所!

美しすぎるキャラクターとグラフィック

まずプレイし始めると目に飛び込んでくる不気味な世界観。

そして乱雑に置かれた無数の人形の首のイラストは、作品に入りこむには十分なほどインパクトが強いんです。

さらに登場する陰鬱な主人公、そして引き込まれる美しさを魅せてくれる小夏先輩は最高!

背景グラフィックも細かい所まで描かれ、制作者様の強いこだわりとセンスがしっかりと伝わってきました。

ストーリーの中で語られる主人公の秘めた思いと、小夏先輩の正体はかなりヤバいので要注目です!

引きこまれる壮絶なストーリー

ホラー要素の強い印象を受けますが、物語は最後の演劇部員である主人公の恋の物語。

作中の日記から主人公が歪んでいる思考だという事が伝わってくるのですが、恋に落ちるきっかけは思春期の男の子らしいところに人間臭さを感じさせられました。

物語が進む中で明かされる頭部が切断された事件、そしてダークな演劇の脚本が二人の関係と結末に大きく関わっていくんです。

文章の読ませ方の素晴らしさと少し感じる違和感、じっくりと繋がっていく事件と二人の関係は、最高に恐ろしくて面白い!

ホラー要素を多く含んだ物語ですが、切なくて美しい恋心も詰め込まれているんです。

淵上くんと小夏先輩の会話の中から伝わってくる2人の関係や距離間、そして辿り着いた衝撃的な結末は深く考えさせられることになるでしょう・・・。

主人公が辿り着く衝撃すぎる2つの結末

この物語では選んだ選択肢によって迎えるエンディングは2つあり、どちらにも深い愛情が込められていました。

その悲しい結末と深い関係があるのが、劇の演目「点鬼簿行路」なんです。

そこで小夏先輩が演じた「まり子」は生真面目で保育士を目指す短大生、しかし悪い恋人の影響で転落人生を迎える女性の役柄なんです。

納得する演じ方をするため小夏先輩は「まり子」の思考と同調していき、同じ行動をしていった結果・・・。

変わり果てた小夏先輩を見た淵上くんがどんな行動をするか想像がつくでしょうか?

多くの方が理解できない愛情表現ですが、その純粋すぎる想いはしっかりと共感できると思います。

この2つの結末はとても残酷な表現があるのでご注意を・・・。




「点鬼簿行路」のここが・・・

暗く陰鬱な主人公と明るく魅力的な小夏先輩の壮絶な物語が楽しめる「点鬼簿行路」ですが、要所要所でわかるキャラクターの心理がヤバい・・・。

主人公の秘めた残虐性と、役柄に蝕まれていく小夏先輩の変化がそれぞれの日記でしっかりと描かれているんです。

淵上くんが首を集めだした理由もしっかりと日記に記されていました。

もちろん役柄に入りこんでいく小夏先輩の変化も・・・。

しかも日記は美しいボイスで読み上げてくれるという神仕様! なんと淵上くんの声は「はなつぐ」氏、鏑木小夏の声は「乃花こより」氏が担当されているんです!

ファンならこれだけでも嬉しいでしょうが、そこに「夏目まめ」氏のイラストと、「丹綿樫」氏のシナリオが加わると・・・。

あまりにも豪華すぎる方々が完成させてくれた作品がどんなものなのか、気になる方は今すぐプレイしてみていただきたい。

まとめ

猟奇的な物語でありながら深い愛を感じさせられる「点鬼簿行路」は、全てが高い完成度を誇る神ゲーでした!

グラフィックや声はもちろん物語の読ませ方が非常に素晴らしく、作品に引き込まれる感覚すら味わえる作品です。

もっと声を聞きたいという要望もありましたが、要所でのみ声で語られる事で引きこまれるというか、重いというか・・・ 上手く言えませんが、それが凄かったという事です!(語彙力なし!)

30分ほどの作品ですが、それ以上に感じられる濃厚な物語を楽しめるので、実際にプレイして楽しんでみましょう。

(余談ですが、乃花こより氏の作品「8番目のアリス」には丹綿樫氏が声で出演されており、しっとりとした美しい声を聞かせてくれるので要注目です!)

最後に「点鬼簿行路」のDLリンクと、制作者の丹綿樫氏のYouTube・HP・note・Twitter・BOOTHのリンクを貼っておきますので、気になる方は覗いてみてください(「点鬼簿行路」DLページ/YouTube/HP/note/Twitter/BOOTH





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